
自宅で洗濯できるの?素材別!着物の着こなし方とお手入れ方法【着物の基礎知識その2】
前回、着物の種類と格についてお話ししました。
「種類が多くて覚えられない!」と思われたかもしれませんが、心配ご無用です。
まずは「着物の袖が長いか短いか」、「柄があるか」、「その柄は派手かどうか」で考えてみましょう。
袖が長ければ若さあふれる印象の着こなしとなります。
反対に、無地なら落ち着いた上品な雰囲気に。
柄が華やかならば、自分をその場の「華」としたい時に最適なものとなります。
少しずつ、自分に合った着こなし方を見つけていきましょう。
着物の着こなし方のお手本にしたい著名人
それでは、「間違いのない、正統な着物の着こなし方」を学ぶには、どうしたらいいでしょうか?
いちばんのお手本は、たとえば皇族の方・歌舞伎役者やその奥様方です。
日本文化と深く関わっている方々の着こなしを拝見して、「どのような場面で」「どのような着物」を選ぶべきなのか、コーディネートの勉強をさせていただくのも良いでしょう。
式典などの重要な場面では、美容室や呉服屋、もしくは主催者やお稽古事の先生と相談すると心配ありませんね。
着物の素材別!着物のお手入れと着こなし方
ちょっとしたお出かけに、おしゃれな着物を着こなしたい・・・。
こんなとき、どのような着物の種類があるでしょうか?
お洋服と同じく、着物にも様々な素材でできたものがあります。
今回は、着物の素材別のお手入れの方法と着こなし方をお話しします。
絹

自然の素材の中でも肌の湿度管理が得意で、夏にはひんやりと、冬にはあたたかく感じます。高級下着に絹が用いられるように、着心地はとても良いです。
よく衣擦れ(きぬずれ)と言いますが、絹の着物はグレードによっては繊維同士が擦れるときに独特な音を立てるので、そのすべてが美しい素材です。
その着こなし方によっては、一目置かれる存在となるでしょう。
ただ、経年劣化で色が変わってしまいやすい素材であること、自宅での洗濯が難しい素材であることが短所です。
麻
通気性がよく速乾性にすぐれているので、夏の着物に使われることの多い素材です。
生地によっては自宅での洗濯も可能ですので、着物に汗や汚れがついてしまった時にも心強いですね。
ただシワになりやすいので、洗濯するときには脱水は弱めにしましょう。
また、ドライブや観劇等の座っている時間が長い場面では避けた方がよいかもしれません。
木綿
とにかく吸湿性が良く、肌にあたる時の柔らかさが心地良い素材です。
麻の着物よりもさらに洗濯がしやすいのも特徴です。
素材として高級感には欠けますが、小物との合わせ方によって遊びが効き、粋な着こなしを楽しめる着物です。
ウール
お洋服にもよく使われる素材ですね。羊毛を使用しているので、あたたかさが抜群です。
自宅での洗濯で対応できる生地が多いので、お手入れはしやすいです。
普段着の着物として人気が高かったため、古着屋で見かけることも多いです。
ただお洋服同様に、虫害を受けやすいので防虫剤とともに保管するようにしましょう。
化学繊維
「ポリエステル」や「ナイロン」、「レーヨン」に代表される化学繊維は、強度が高く、汚れても落としやすくシワになりにくい素材です。
お値段も比較的安いので、初心者でも安心して使えますね。
吸湿性が悪く、静電気が起こりやすいので、自然由来の繊維よりも着心地は劣りますが、昨今ではハイテク繊維もありますので、ぜひ手にとってみてください。
着物の素材によって変わる「格」とは?
着物の素材として高級感が抜群なのはもちろん「絹」です。
しかし、絹の着物が万能というわけでもありません。たとえば、夏の暑い時期には「麻」と「木綿」の着物が、見る者にも涼やかで格好良い着こなしになることもあります。
お洋服でも、たとえば夏の南仏ニースのビーチではキャミソールワンピースが素敵に映りますし、秋のロンドンで着るウールのパンツスーツは最高に格好良いですよね。
あまり難しく考えず、その場面で着物を着ている自分をどう見せたいか考えてみると、案外簡単に着こなしが頭に浮かんでくるようになりますよ。
着こなしが思い描けると、素材も自然と選べるようになってきます。
「着物は歩きにくい」は本当か
よく「着物は歩きにくい」と聞きますが、これには理由があります。
私たちにもっとも身近な着物は浴衣ですが、浴衣は化学繊維のものが多いので、どうしても歩くときに裾が絡みやすく、着心地が悪くなってしまうのです。
また、現代の私たちが浴衣以外の着物を着るときはお祝い事が多いので、振袖のように何重にも手の込んだ着物が多いのも事実です。
比較的身近な着物が、化学繊維でできていたり多重層のものが多かったりするゆえに「着物は歩きにくい」という噂がひとり歩きしているのです。
ですが、自然素材でできた着物だと、こういった着心地の悪さはなくなります。
ぜひ絹や麻などの着物に袖を通してみて、クセになるような歩きやすさを体感してみてください!
そして、自分なりの着物の着こなしを見つけてください。
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AKEBONO TEA(アケボノティー)は、日本茶をベースにさまざまなハーブを組み合わせたフレーバー煎茶を展開する 東京発のオーガニックティーブランドです。